2011年9月17日土曜日

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展/住友コレクションの中国絵画/高村光雲と石川光明

 何だかすっかり美術鑑賞ブログになってしまった感がありますが…
 ぼちぼち彫っていますよ、ぼちぼち…

 さて日付は変わってしまいましたが9月16日金曜日、またまた京都へ出没。 ウロウロする覚悟でバス乗り放題カードを購入です。

 珍しく8時過ぎには家を出て京都市美術館へ、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展をまず観に行きました。 何故かと言うと天気が悪くなりそうで一番並ばないといけなさそうだったからです。
 結果的には平日のどんよりとした曇り空だったのですんなりと展示室へ進めました。
 目玉作品はゴッホの自画像でしたが、個人的には佐伯祐三が好きなのにゴッホは苦手で、それを目的に観に行った訳ではありませんでしたが。
 受験生の頃ゴッホの手紙を読んで、それ以来暑苦しいというか、何だか理解してくれよオーラを感じるようになってしまいw今でも苦手です。まぁ文学的な見方をすればそうなのですが、美術的には優れているのは認めざるをえません。
 今回は久しぶりにこの絵『日傘の女性、モネ夫人と息子』が来ていました(前にモネ展で来ていたはず…同様の作品がありますがそれには子供は描かれていなかあったような)。
 『日傘の女性、モネ夫人と息子』クロード・モネ(印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション ワシントン・ナショナルギャラリー展図録より引用)
 大好きなんですよね、この絵。
 画面から爽やかな風を感じますね。またほのぼのとした幸福感を与えてくれますね。…しかしこの絵を描いた1875年から4年後の79年にモデルとなった奥さんが32歳の若さで亡くなられています。幸福の絶頂から叩き落されるのは共感できますね…しかしそこからまた這い上がって行ったのを見習わなくてはいけません(個人的なことですね)。
 いや~渋いですね、太鼓橋でポーズを取るモネ。
 『太鼓橋』クロード・モネ(印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション ワシントン・ナショナルギャラリー展図録より引用)
 まだ蔦が絡み付いていないですから上記の写真を撮る前に描かれた作品ですね。
 僕も根付で大当たりwするか、宝くじ当てたらモネの庭みたいな邸宅を構えてみたいものです。…睡蓮じゃないけど蓮を漬物樽に植えてるんだけど、今年は失敗しましたです。
 さて、今回はベタな印象派展を観に来たわけですが、ほぼ門外不出のデッサン類を観にきたんですよね。そうされる理由も分かるわけで、紙質の良好な作品群、発色のいいセザンヌや、ドガ、水墨画風のマネ等良品が揃っていました。
 何だかんだと言いながら印象派好きですw



 続いてバスに乗り込み住友コレクション泉屋博古館京都鹿ヶ谷へ住友コレクションの中国絵画展へ。

 『猫図・安晩帖より』蜂大山人(泉屋博古館絵葉書より引用)
 …葉書の表面見るまでずっとぐでっとした『犬』、しかも中国だから『チャウチャウ犬』だと思い込んでいました…猫に見えないですよね?ねっ?
 たしかに背中の墨の部分の盛り上がりみるとそれっぽく…見えねぇよw
 チラシの表面を飾るのに会期途中で展示変え(この『猫図・安晩帖』は展示期間 10月1日~10月14日ってHPではなってるけど、これが観たかったんで満足)。しかし実物は小さかったなぁ。もっと大きく掛軸になっていると思っていましたので、探すのに思わず会場を2~3周してしまいました。
 『雪中遊兎図』沈銓(泉屋博古館絵葉書より引用)
 う~ん濃いな。余白の部分が無くひたすら描き込んで密度が高すぎます。日本の描写を見慣れているせいか何枚も観てると疲れてきますね。
 若冲なんかもぎちぎちに描き込んだものも多いですが、何だろう地と図の関係かな?若冲はすっきり画の世界へ入り込んでいけるんだけどな。あと何だろう、明暗のコントラストが強すぎるのかな?立体感が妙に強調されすぎていて、日本の朦朧体の表現と違う空間がありますね。
 昔の人は中国に学びに行ったり、輸入された画をよく解釈し自分の表現へと繋げたものですね。


 『蛙蛇文盤』(泉屋博古館絵葉書より引用)
 いや中国のカエルかぁと思って買ったポストカードですw
 何ガエルだろうなw

 バスに乗って一旦四条河原町まで戻り、マクドナルドで遅い昼食。

 再びバスに乗って今度は清水寺方面へ…
 清水坂を修学旅行の小学生と共にテクテク上り、八つ橋をつまみ食いしながら今度は三年坂をすたこら下りる。
 右手に清水三年坂美術館ですね。帝室技芸員 series3 彫刻~高村光雲と石川光明~展です。
 実は初めてだったんですよね、ココに来るのw


 話はちょっと前後しますが下記が16日に購入した本です。
 …ん?
 …灯台下暗しといいますか…楽虫さんの所で話題になった本がちょこんと置かれて販売されていました。最後の一冊でしたw いや~読みたいなぁと思ってネットで探しまくり、岡山へ展覧会観に行った時もこの本をきょろきょろと探し、半ばあきらめていたんですよね、どこかで古本が出てくるまで待つしかないかなと。まさかこんな所で新刊があろうとは、恐るべし清水三年坂美術館、伊達に常設展示で正阿弥勝義展示してないぜw 眼福にあずかりながらいざ企画展の2階へ…

 高村光雲は学生時代現代美術に行き詰って東京国立近代美術館へ行き何かきっかけを掴もうと暗中模索してた時に『老猿』(今は東京国立博物館所蔵か…僕が東京にいた頃は息子光太郎の『鯰』と一緒に常設展示されてたんだけどな)を観て活路を見出したと言っても過言でない作品でした。置物彫刻を現代美術になんて小難しい事考えていたんですがw
 展示自体は前に企画展があった『超絶技巧の明治の牙彫・木彫』展の高村光雲と石川光明をピックアップした感じの内容でしたが、光雲はもうちょっとそろえて欲しかったのですが、光明の作品が見ごたえあるのがありましたね。そして今回期待していたのがこれ。
 『木彫兎』石川光明(超絶技巧の明治の牙彫・木彫展図録より引用)
 
 何故かというと図録に…
 『木彫兎』石川光明(超絶技巧の明治の牙彫・木彫展図録より引用)
 こういうの載っていたら「これで根付造ってみな」って言われているように思いますよね。







 造っていますw
 実は今回の展示で光明はこの木彫を元にしたであろう象牙の根付を造っていました。小さくなったせいか、このような彫りはなく、ちょっと細かい部分が形が弱くなっていましたがそれでもいい根付でした。
 今回上に圧し掛かっている兎の左前足がどうなっているのかずっと疑問になっていたのでそれが解消されたのはよかったです。
 展覧会の図録は今月末に出来るそうで、できれば写真の使いまわしでなく、新規に撮り直したものが使われているといいですね。
 時間があればまた観に行きたい展示でした。

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2011年9月7日水曜日

帰ってきた江戸絵画/フェルメールからのラブレター展

 日差しも和らいだ最近、少し早めの芸術の秋月間に個人的に突入しました。事情はさておき自由な時間が残りわずかになってきたからです。
 前にも書いたように基本的に出不精なので、無理やりチケットを購入してもったいないから観に行くと言う訳でして。
 そして阪急電車に乗って一路京都へ。

 京都文化博物館へ…
 前は何を観に来たのかなぁ?ちょっと記憶に残っていないのでアレなんですが、図録を探してみれば分かるのでしょうが面倒なので気になるけど我慢。

 帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション
 最近は日本の伝統系ばかり観ていて、チラシなんかもいい感じだったので楽しみにして行きました。今、図録を読んでいるんですが1年かけて日本中を巡回してたんですね、最近は気になれば購入する「芸術新潮」、毎月購入している「目の眼」、本屋で見かけても手に取らない「美術手帳」w …情報が極端になっちゃっているので、気付かずに見逃した展覧会とかがありますね。そういうのは悔しいから図録を取り寄せるなんて事もしますが。
 さて話を展覧会へ戻して。枯淡な画をDNAレベルで美しいと思える日本に生まれてよかったと、またこれだけの秀作が個人レベルで海外に流出していたのかと嘆き。
 『托鉢僧行列図』中原南天棒(帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展図録より引用)
 可愛いですね。こういう力の抜けた画が好きです。一歩間違えたら落書きレベルですが、コレクションしたギッターさん、わかってますね。やっぱり筆ネイティブは巧いな。受験生の頃クロッキーを墨と墨汁でやっていましたが比べ物になりません。また解説に連続写真のようなという言葉があり、先取りした未来派だなって微笑んでみたり、やっぱり表情がいいですね、こんな表情の人に囲まれて暮らさないと描けないです。

 『鶴図』伊藤若冲(帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展図録より引用)
 個人的に大発見じゃないかと一人でちょっと興奮した画。それは何かというとこの画の鶴の胴体の描く方向が右下から円を描き左下へと筆が進んでいるのを観て若冲は左利きだったんじゃないかと。…よく考えたらそれはイーゼルを立てて描いたら、の話ですね。こういう画は床に置いて描いてるんだと。反時計回りに90度回転させたら右利きでも描けるよなと苦笑い。面白い絵を観るとどこから描き始めたのかとか、この視線の先に何が見えるのかとか色々と考えてしまいます。

 『松に虎図』源琦(帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズ ギッター・コレクション展図録より引用)
 何だか妙にリアルな質感を持った虎なんですよね、実際の虎を眼の前に写生したような。水墨画で描かれた傑作の虎は何枚もありますが眼光は鋭いんだけど、ちょっと猫っぽかったりしていてこういうのは観た事がなかったですね。ただ残念なのは画面の中に二つの表現が入っているんですよね。上部の典型的な描法と虎が合っていないんですね、虎の表現が面白いだけにそれが残念。

 満足してテクテクバス通りまで歩いていくともう1時前、ココイチでカレー食べた後バスに乗って京都市立美術館へ。

 フェルメールからのラブレター展
 図録をぱらぱら…おっ宮城県美術館でも開催されるのか。美術館は被災してなかったんだな。でも膨大な保険料払うなら、それを被災地にばら撒いて違う所での展示でもいいのにと思ってしまいますね。一日でも早く被災された方々がこういう展覧会が観られる心の余裕が出来る事を祈ります。
 しかしフェルメール日本によく来るようになったなぁw 心がまだ純真だった十代の頃に観たかったよ。子供が高校生くらいになったらシベリア鉄道乗ってエルミタージュ美術館1週間、その後ドイツでビール飲んでwフランスルーブル美術館で2週間、イギリス行って大英博物館で根付を観るwこんな価値観をぐらつかせる旅行したいな。
 もうフェルメールは画集で観た事がある状態でしたね(ちょっと贅沢)。一室使って3枚絵が並んで…
 『手紙を書く女』ヨハネス・フェルメール(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵 フェルメールからのラブレター展図録より引用)
 今回来ていた作品の中ではこれが一番お気に入りで、柔らかい空気と光を、そしてそれらを一心に受け止める視線が綺麗でした。フェルメールの腕がいいのは分かってるけど、モデルなのかなぁ。何とも言えないいい瞳、言葉を語りかける眼なんですよね。そういやモデルさんを使って受験時代から予備校の先生をしていた時まで何百枚も絵を描きましたが、白人の女性はなかったなぁ。ファッション雑誌でも久しぶりに買って写真模写でもしようかな。絵を描きたくなる一枚でした。
 この京都市立美術館は二階建てなのに一階だけを利用した、小品が多いこじんまりとした展覧会で一時間ほどで観終わりましたが、もう一枚心に引っかかった作品。
 『窓辺で本を読む女』ハブリエル・メツー(個人蔵 フェルメールからのラブレター展図録より引用)
 個人的な好みですが顔は森泉みたいな馬面…うりざね顔系で気が強そうな顔が好きなんですよね、絵になるかどうかはさておき。この絵のモデルさんはヒットなんだけど、ちょっと鼻の下が長いのが残念。
 下らない話はさておき、本を読むという題名が付いているわりには視線が紙面へ向いておらず、窓の向こうへと視線が流れています。残念な事にこの描かれた紙面、文字らしきものしか描かれていません。ちゃんと描かれていたらこの視線ももっと意味が出てきただろうに(フェルメールはマニアックな研究者がいて描かれた地図や版画、本等が実際に発見されています。こういうところがまた一線を引く所なんでしょうね)。


 さて上記にも書いたように京都市立美術館二階は現在空室です。来週半ばから「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」が開催されます。週末は決して出かけたくない美術館ですw

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2011年9月6日火曜日

羽衣・その2/Robe・Part.2

 日が暮れるとすっかり秋の気配ですね。

 カエルの餌にコオロギを飼っているので虫の音は夏前から聴いてはいるんですが。

 私生活がちょっと行き詰ってw色々としなくちゃならない事が山積みで。ええ、分かっているんですよ。大きな塊を受け止めようとするから、ダメになっちゃう事も。一つ一つ対峙していけば、時が解決してくれる事も。

 という訳で気分転換に外に出てみました。
 鳩、やる気ねぇなぁw
 家の近所の公園で根付を彫っていたら「あそこの主人、何してんだ?」と不審者扱いされるので、家から離れた人気の無い公園でごそごそ。

 いや~気分が晴れますねぇ。くだらない事考える気分が消え失せます。外で製作をしていると学生時代を思い出して気分が盛り上がってきます(学生時代はグラインダーとサンダーで木の粉を撒き散らす、大顰蹙を買う作品造りだったからなぁ、下級生の人たち鬱陶しかっただろうな、正直すまんかったw)。
 いや~平和ですねぇ。台風が惨禍を残した近畿地方に住んでるとは思えないほど。
 お昼過ぎから日差しが強くなってきたので移動です。昼間はまだ夏の思い出が残っているほど暑いですからねぇ。

 オープンテラスを陣取りこそこそ。彫刻刀沢山持ってきましたけど、一応銃刀法違反になるような長さの刃物は持っていないので通報されてもへっちゃらです。
 ようやく形が見えてきました。思っていたよりも誰も話しかけたりしてこなかったので集中して作業がはかどりました。まあ部屋の中でエアコンつけながらこっそり彫るのもいいですが(これが本当の姿でしょうがw)。
 たまには大空の下でチマチマ1mm単位の作業をするのも心の健康にはいいかもしれませんねw

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2011年8月17日水曜日

佐伯祐三

 今日って言っても日付は変わっちゃいましたが、かねてからお伺いしたいと思っていた場所へ行ってきました。
 絵を描き始めた頃だから16歳くらい…美術は趣味って思ってた頃だから14歳くらいからかな。当時の美術の教科書の副読本に載っていた「リュクサンブール公園・田辺市立美術館蔵」は凄い描き方だなぁ…でも魅了されたというか、でも何故か心に引っかかる絵でして、その魅力は高校2年生の頃まで燻っていたのですが。ちなみにその副読本に載っていた西洋編の「ロダン『パンセ』(カミーユ・クローデルをモデルにした大理石の彫刻) ・オルセー美術館蔵」の美しさを観て彫刻家になろうと決心したのはまた別の日にお話でも。
 さて本日って言っても昨日ですか佐伯祐三さんがパリで客死された日なんですよ、8月16日は。
 高校三年生の今くらいの時期、どうしても会いに行きたくなって、自転車に乗って…wあれから23年の月日が過ぎ去りました。
 お寺の場所の記憶が定かではありません、一方通行逆走しそうになったりしながら20分ほど周辺を車でうろうろ。
 ようやくたどり着きました浄土真宗本願寺派光徳寺…
 マニア垂涎の聖地です。もちろん今回は大人なのでお花を携えてのお参りです。
 倶會一処と刻まれた墓石が新しくなっていました。…私も奥さんのお墓建立しないといけないんだろうけど…何だか遠くへ逝っちゃいそうなので、今住んでいる市営の墓地が空くのを待つしかないですね。それまでは近所のお寺にお預かりして頂く予定ですが。
 はてさて今回はコレを持参しました。

 う~ん外箱は鋲で留めてあり何てごつく、画集の天、地そして小口は金色…贅沢な限りです。
 昭和12年発行の山本發次郎氏コレクションの集大成とも言える(多分画集に未掲載の作品も多数あったでしょうね )豪華限定500部限定の豪華画集です(奥さんには値段の事黙っていましたが25万円しましたw)。ちなみに上記の文章は ─本書は五百部限定版にして、五部(自第壹番至第五番)は用紙を凡て越前國岡本村別漉による局紙及び鳥の子紙を用ひ、四百九拾五部(自第六番至第五百番)は原色版臺紙のみに別漉局紙を用ふ。本書は下記の番號に當る。─ (座右寶刊行會・五百部限定版佐伯祐三畫集・昭和12年発行より引用)…著作権って50年だったっけ?まぁ1937年発行の74年前発行の本だから詳しい人いたら教えて下さい。当然の事ながら削除要請に応じます。
 この本を持ってお参りに行くと、ご親族の方がわざわざ出てきていただいて本堂へと上がらせて頂きました。
 戦争の影響でしょうか、光徳寺さんにもこの画集は残っておらず、№088だったかな?近年に買われたそうです。多分上記の№001~005までの中の一冊は山本氏が進呈されていたんでしょうけどね。しかしどの資料見てもこれらのナンバーの話は出てこないので現存はしていないんでしょうね、どんだけ豪華だったのか観て見たい気がしますね。ちなみに野見山暁治氏は靴を買いに行った途中の古本屋でこの画集を見つけ、靴の購入代金をそのまま本代に当てたそうでw。この画集はまだ見たことの無いパリへと想いを募らせたそうで、奇しくもパリ留学が決った時に旅費のたしにするために売ったそうですが。

 本堂へ上げていただくと…
 猫のお出迎えですw佐伯家族が悪夢を見た末裔かなw
 色々と興味深いお話をさせて頂いて…

 「没後80年記念佐伯祐三展─パリで夭折した天才画家の道─・大阪市立近代美術館建設準備室蔵」より引用
 「(顔の無い)立てる自画像」は美術史上に残る未完の名作と思われますが、しかしご遺族の方達はそういう観かたではなく、本当に人間佐伯祐三を想ってのこと、痛ましくて嫌だとか。今まではスパンと竹を割ったように終わった人生に潔さというか、夭折に憧れを持っていたのですが(僕も身内が夭折したので今となっては不謹慎ですね)、こういう観かたもあったんだなと。だからご遺族の方達は前向きなお話と素敵な作品の会話で話が弾みました。
 ここでこぼれ話を一つ。一度だけ佐伯祐三の「ノートルダム(マントラ=ジョリ)・大阪府立北野高等学校蔵」が光徳寺へ里帰りしたことがあったそうです。その時は絵を運んだ車を挟んで3台で厳重に運ばれてきたとの事。それはそれは凄い警備だったそうです(この絵一枚で新車のフェラーリが10台以上買えるもんなw)。こんなあけっぴろげな所にそんな大事な物置かれへんわ~と笑いながら仰られたのが心に残っています。また早く大阪市立近代美術館の設立を望まれていました、コレは大いに同意。いつまでああいう名作群を塩漬けしておく気なんでしょうね、大阪市は。


 佐伯祐三といえば十数年前大規模な贋作騒ぎがありましたが、これらの事についても憤慨を通り越して、どうしたらいいのやらと困惑されていました。最近でた出版意図の分からない本を書いた人、コレくらいは最低でも読んだよな?
 あと引用先を書けよ、最低限のルールだろ。写真も何だよ穢いもの載せやがって。所蔵先から確認とってるんだろうな?自費出版だからって許されると思うなよ。これら読んだだけでも匠秀雄氏が朝日晃氏に対抗意識をずっともっていて先走ってしまった失敗だというのに気が付くよ。

 ちょっと頭に血が昇ってしまいましたが、上記のほかに倉庫にあと数冊図録があったはず。同じ様な作品ばかり載っているのに集めてしまう煩悩の数ですw 中でも同じ本が2冊あります。実は二十年近く前パリへ行った時に、佐伯祐三の写生場所を訪ねる事を計画していて用意していたのですが、出発のドサクサに忘れてしまいパリのジュンク堂だったかな?そこで!購入できました。そのあとジュンク堂へ足繁く通って友達に笑われた事を思い出します。

 今日はそのあと一路奈良へ…昔私が予備校で教えさせて頂いた?時の教え子さん達と会食。楽しかったな。Aさんお幸せに。
 このお酒、コブラや蠍も入っていたんだけどw車なので残念ながら呑めませんでした。こんなの呑んだら鼻血出して大変な事になりそうだw。

 当然シラフで帰宅し嫁さんを送り出しました。
 蝋燭を灯した後、ぼんやりと煙草を吸っていると…
 別れを惜しむかのように蝉が飛び込んで来ました。

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2011年8月14日日曜日

毎日が夏休み

 まぁ、色々な事があって一昨年の暮れから毎日が夏休みなのですが…子供も本格的に夏休みに入り、学童保育も午前中なのでその間に洗濯したり、買い物に出かけたりと主夫業をけなげに行っています。だから昼間は部屋に閉じこもって根付を造るということはできませんので、子供の勉強をみたり、時には一緒に遊んだりと8月はまったり進んで行きます。


 ん~子供が勉強してるとやることがないなぁ。


 さすがに40歳を超えると穴の開いたジーパンは履けませんし、そしてユニクロで買った2980円のジーパンなので捨ててもいいんだけど、自分で染めたりしていい感じの色合いになっているのでもう少しはいてみようかと穴を広げないために刺繍を始めてみました。
 普段から面倒くさい事が大好きなんだけど、面倒なのでしないって言う事が多いのですがちょっとはまってしまいますね。黙々とチクチク。所詮素人の刺繍なんで怪しい部分もあるのですが元絵もそういう線なので、これはこれでいいんです。一時間に数センチしか進みませんが子供が勉強してる横で見張りながらやるのも楽しいものです。しかし完成したら履けるかなぁって図柄ですw。


 唐突ですがフランスに行きたいなぁ。キリスト教徒でもないんですがノートルダム大聖堂に行ってバラ窓から差し込む光を浴びながら、分からない言葉のミサを受け、パイプオルガンのコンサートを聴きたいな。
 フランスには十数年前、友達の画家井上実君が留学していた頃、一月程お世話になって毎日のようにルーブル美術館やオルセー美術館、マルモッタン美術館等通ったものです。多分この頃からだろうな、油絵でこいつらに立ち向かえないやと平面での表現に行き詰ったのも(まぁ、大学では油絵らしいものは数枚しか描いていませんが…)。
 フランスに行ったらでセーヌ川を見下ろすカフェでホロ苦いエスプレッソを飲み



これを聴きながら一服。



 それまではこれらの煙草吸い終えたらその時が来るまで我慢しようかな。もし煙草ふかしてても「コイツ禁煙できなかったんだなw」と笑ってください。





 さて今から根付彫るか。





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2011年8月8日月曜日

毎日の中で

 ある程度までは平面の資料だけで造れますが、細かい表情などはやっぱり実物を観ないとわからないものですね。そこで無職wタイムを利用して近所のホームセンターの金魚売り場へ…
 平日の真昼間から怪しげなおっさんがカメラを片手にパシャパシャ。当然店の人には「今度飼う予定でどういうのがいるのか知りたい」と平然と嘘をついて、決して根付の資料になんて言っても理解してもらえそうにありませんから。
 かわいいですね。思わず買いそうになりましたが飼育する気持ちはこれっぽっちもありませんので却下。100枚近く撮影しましたw





 ナゴヤダルマガエルです。おたまじゃくしから育て、数度の脱走騒ぎにかかわらず居残ってくれたうちの一匹です。気がついたらでかくなっていた。
 餌はコオロギ60匹を週に2度程買いに行って与えています。コオロギの鳴き声が涼しげでちょっぴりセンチメンタルな気持ちになりますが、水槽に入れる時には「ふはははは、逃げろ逃げろ」虐待しています。もう少し大きくなるのかな?こいつも根付の生きた資料です、といっても根付の定番はガマガエルですが…。

 そして先週はやっぱりこれを買わないとと…
 アマゾンではまだ入荷未定だったので違うインターネット通販の本屋さんへ。アマゾンの過剰梱包は有名ですが、折れ曲がったりしないかぎりこれくらいでいいと思います。
 諏訪敦さんの画集がでましたので購入。思うところがあって写実系の画集をと、礒江毅さんとAntonio Lopez Garciaさんの画集はアマゾンで購入。
 個人的な感想はアレなので書きませんが、やっぱりパエリア喰ってるやつはすげぇやと。

 諏訪敦さんの画集は前作の画集よりも密度が濃くなっていましたね。何だろうな、観てたら絵を描きたくなる絵なんですね、というか諏訪さんに挑戦してみたくなるような(高飛車だな、俺)。
 写実なんだけど、細密なんだけど現実味を帯びていないと言うか、画面の中だけで世界が動いている…諏訪さん自身の姿も見えない、対象の存在もあやふやでいて体温や臭いを感じるリアルな虚像と言うべきか、説明が難しいな、そんな画集です。多分、諏訪さんの意向だと思いますが初版だけで増刷はないと思いますので書店で見られたら一度手に取ってみて下さい(多分半年後には1万円以上のプレミア価格になってるでしょうね)。

 で、アマゾンのマーケットプレイスで買いました、コレ

 こういう物こそ過剰梱包しろよw
 根付を撮影するのにようやく重い腰を上げました。

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