2011年9月17日土曜日

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展/住友コレクションの中国絵画/高村光雲と石川光明

 何だかすっかり美術鑑賞ブログになってしまった感がありますが…
 ぼちぼち彫っていますよ、ぼちぼち…

 さて日付は変わってしまいましたが9月16日金曜日、またまた京都へ出没。 ウロウロする覚悟でバス乗り放題カードを購入です。

 珍しく8時過ぎには家を出て京都市美術館へ、ワシントン・ナショナル・ギャラリー展をまず観に行きました。 何故かと言うと天気が悪くなりそうで一番並ばないといけなさそうだったからです。
 結果的には平日のどんよりとした曇り空だったのですんなりと展示室へ進めました。
 目玉作品はゴッホの自画像でしたが、個人的には佐伯祐三が好きなのにゴッホは苦手で、それを目的に観に行った訳ではありませんでしたが。
 受験生の頃ゴッホの手紙を読んで、それ以来暑苦しいというか、何だか理解してくれよオーラを感じるようになってしまいw今でも苦手です。まぁ文学的な見方をすればそうなのですが、美術的には優れているのは認めざるをえません。
 今回は久しぶりにこの絵『日傘の女性、モネ夫人と息子』が来ていました(前にモネ展で来ていたはず…同様の作品がありますがそれには子供は描かれていなかあったような)。
 『日傘の女性、モネ夫人と息子』クロード・モネ(印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション ワシントン・ナショナルギャラリー展図録より引用)
 大好きなんですよね、この絵。
 画面から爽やかな風を感じますね。またほのぼのとした幸福感を与えてくれますね。…しかしこの絵を描いた1875年から4年後の79年にモデルとなった奥さんが32歳の若さで亡くなられています。幸福の絶頂から叩き落されるのは共感できますね…しかしそこからまた這い上がって行ったのを見習わなくてはいけません(個人的なことですね)。
 いや~渋いですね、太鼓橋でポーズを取るモネ。
 『太鼓橋』クロード・モネ(印象派・ポスト印象派 奇跡のコレクション ワシントン・ナショナルギャラリー展図録より引用)
 まだ蔦が絡み付いていないですから上記の写真を撮る前に描かれた作品ですね。
 僕も根付で大当たりwするか、宝くじ当てたらモネの庭みたいな邸宅を構えてみたいものです。…睡蓮じゃないけど蓮を漬物樽に植えてるんだけど、今年は失敗しましたです。
 さて、今回はベタな印象派展を観に来たわけですが、ほぼ門外不出のデッサン類を観にきたんですよね。そうされる理由も分かるわけで、紙質の良好な作品群、発色のいいセザンヌや、ドガ、水墨画風のマネ等良品が揃っていました。
 何だかんだと言いながら印象派好きですw



 続いてバスに乗り込み住友コレクション泉屋博古館京都鹿ヶ谷へ住友コレクションの中国絵画展へ。

 『猫図・安晩帖より』蜂大山人(泉屋博古館絵葉書より引用)
 …葉書の表面見るまでずっとぐでっとした『犬』、しかも中国だから『チャウチャウ犬』だと思い込んでいました…猫に見えないですよね?ねっ?
 たしかに背中の墨の部分の盛り上がりみるとそれっぽく…見えねぇよw
 チラシの表面を飾るのに会期途中で展示変え(この『猫図・安晩帖』は展示期間 10月1日~10月14日ってHPではなってるけど、これが観たかったんで満足)。しかし実物は小さかったなぁ。もっと大きく掛軸になっていると思っていましたので、探すのに思わず会場を2~3周してしまいました。
 『雪中遊兎図』沈銓(泉屋博古館絵葉書より引用)
 う~ん濃いな。余白の部分が無くひたすら描き込んで密度が高すぎます。日本の描写を見慣れているせいか何枚も観てると疲れてきますね。
 若冲なんかもぎちぎちに描き込んだものも多いですが、何だろう地と図の関係かな?若冲はすっきり画の世界へ入り込んでいけるんだけどな。あと何だろう、明暗のコントラストが強すぎるのかな?立体感が妙に強調されすぎていて、日本の朦朧体の表現と違う空間がありますね。
 昔の人は中国に学びに行ったり、輸入された画をよく解釈し自分の表現へと繋げたものですね。


 『蛙蛇文盤』(泉屋博古館絵葉書より引用)
 いや中国のカエルかぁと思って買ったポストカードですw
 何ガエルだろうなw

 バスに乗って一旦四条河原町まで戻り、マクドナルドで遅い昼食。

 再びバスに乗って今度は清水寺方面へ…
 清水坂を修学旅行の小学生と共にテクテク上り、八つ橋をつまみ食いしながら今度は三年坂をすたこら下りる。
 右手に清水三年坂美術館ですね。帝室技芸員 series3 彫刻~高村光雲と石川光明~展です。
 実は初めてだったんですよね、ココに来るのw


 話はちょっと前後しますが下記が16日に購入した本です。
 …ん?
 …灯台下暗しといいますか…楽虫さんの所で話題になった本がちょこんと置かれて販売されていました。最後の一冊でしたw いや~読みたいなぁと思ってネットで探しまくり、岡山へ展覧会観に行った時もこの本をきょろきょろと探し、半ばあきらめていたんですよね、どこかで古本が出てくるまで待つしかないかなと。まさかこんな所で新刊があろうとは、恐るべし清水三年坂美術館、伊達に常設展示で正阿弥勝義展示してないぜw 眼福にあずかりながらいざ企画展の2階へ…

 高村光雲は学生時代現代美術に行き詰って東京国立近代美術館へ行き何かきっかけを掴もうと暗中模索してた時に『老猿』(今は東京国立博物館所蔵か…僕が東京にいた頃は息子光太郎の『鯰』と一緒に常設展示されてたんだけどな)を観て活路を見出したと言っても過言でない作品でした。置物彫刻を現代美術になんて小難しい事考えていたんですがw
 展示自体は前に企画展があった『超絶技巧の明治の牙彫・木彫』展の高村光雲と石川光明をピックアップした感じの内容でしたが、光雲はもうちょっとそろえて欲しかったのですが、光明の作品が見ごたえあるのがありましたね。そして今回期待していたのがこれ。
 『木彫兎』石川光明(超絶技巧の明治の牙彫・木彫展図録より引用)
 
 何故かというと図録に…
 『木彫兎』石川光明(超絶技巧の明治の牙彫・木彫展図録より引用)
 こういうの載っていたら「これで根付造ってみな」って言われているように思いますよね。







 造っていますw
 実は今回の展示で光明はこの木彫を元にしたであろう象牙の根付を造っていました。小さくなったせいか、このような彫りはなく、ちょっと細かい部分が形が弱くなっていましたがそれでもいい根付でした。
 今回上に圧し掛かっている兎の左前足がどうなっているのかずっと疑問になっていたのでそれが解消されたのはよかったです。
 展覧会の図録は今月末に出来るそうで、できれば写真の使いまわしでなく、新規に撮り直したものが使われているといいですね。
 時間があればまた観に行きたい展示でした。

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