昨夜の日曜美術館記憶に辿りつく絵画~亡き人を描く画家~を観られた方はいらっしゃいますか?先週の再放送でしたが(先週録画するのを忘れてた)画家諏訪敦さんの特集でした。
一見「写真みたい」な作品ですが、写実絵画にコンセプトを持ち込んで現代美術に挑発的に切り込みを入れる尖った作品です。対象をただ表面的になぞるだけでなく、その対象の世界観を「対話」という観察方法で画面に取り入れる、ある意味恐ろしい作品ですね。
今回はそのように対象の内面を取り入れる事の出来ないモチーフ、「故人」をモチーフに作品に挑まれると言う話でした。
普通ならば、生前の写真だけを基にしてフォトショップなんかで加工して「こんなもんか」みたいな作品と呼べる代物じゃないものになっていたでしょうが、放送での諏訪さんの存在はシャーマンでしたね。テレビ画面を通じて映し出された作品画面に故人、そして再生を望まれたご両親達の想いが表現されていました。
またそこへ到る過程が素晴らしい、というか表現もしくは再生の為にここまでするのかというおびただしい取材。観ていて涙がでてきましたね。あれだけの労力がありあのような作品群があるのかと、またこのような陳腐な言葉しか出てきませんが、素晴らしいとしか言いようのない作品が造り出されるのか、と。
この放送を通じて一つ私にヒントを与えて頂けました。私事ですが昨年妻を亡くし未だ途方に暮れている状態だったのですが、亡妻との会話方法を。
一応美術大学の絵画専攻出身なので普通の人よりはほんの少し絵心はあるつもりですが、しかし亡妻を生前に描きかけて放置したままの絵があり、画面を観る度に無力感に陥るばかりでしたが方向が見えてきました。
僕にも取材方法がいくらでもあるという事を、そして再生させる事ができると言う希望を。そこへ到るにはまだまだ時間が掛かるでしょうし、僕自身の造りたい物も沢山あります。一生かけて亡妻と対話し、そして再び逢える日を期待しながら一筆、一彫りを大事にしていきたいと思います。
諏訪さんの作品集です、アマゾンでは一時期10万円の高値が付いていましたが今でも2万5千円の高値が付いていますね。買っててよかったw
サイン本ですw
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